医療法人樹会 糖尿病・腎・高血圧 ふくはら内科クリニック

当院のブログ

糖尿病の合併症:糖尿病性神経障害

2021/07/15

糖尿病による合併症は、高血糖によって血管が傷つけられて起きるもので細い血管の合併症(細小血管症)と、太い血管の合併症(大血管症)があります。

細小血管症には、糖尿病の3大合併症である『神経障害』、『網膜症』、『腎症』があります。この合併症を把握してそれぞれに対して必要であれば治療を行うことが悪化を防ぎます。

これらの合併症はそれぞれの頭文字をとって『し・め・じ』と覚えましょう。

 

:神経(糖尿病性神経障害)

:目(糖尿病性網膜症)

:腎症(糖尿病性腎症)

 

その中の今回は神経障害について説明します。

糖尿病性神経障害ではしびれなどの自覚症状がある人は約15%程度といわれていますが自覚症状がない人も含めると30〜40%に見られます。

 

糖尿病性神経障害には主に2つの障害があります。

自律神経障害:胃腸や心臓などの内臓の働きを調節している神経に起こります。症状として立ちくらみ、排尿障害、下痢、便秘、勃起障害などがあります。

感覚・運動神経障害:手足の感覚や運動をつかさどる神経に起こります。何かが足に貼りついているような違和感や、しびれ、刺すような痛み、こむらがえりなどが出現します。全身の神経の中でも足先や、足裏から起こりやすいと言われています。

しびれや足の違和感がある場合は変化を見逃さないようにしましょう。

神経障害が進行すると痛みの感覚が鈍くなります。初期の症状を見過ごしてしまうと足が壊死してしまい、切断が必要になる場合もあります。

 

当院では看護師による足の観察(フットケア)を行い、神経障害の早期発見・早期診断を心がけております。靴ずれやタコ、爪が伸びていたり、巻き爪などの爪の変形があると、足病変のリスクが高まりますので定期的に診察させていただきます。

また、当院では糖尿病性神経障害を評価する神経伝導速度装置を導入しております。測定時間は約10〜15秒で簡単に神経障害の程度を測定可能です。これによって糖尿病性神経障害の早期発見や経過観察が可能です。

 

糖尿病性神経障害の治療は血糖のコントロールを良くすることです。糖尿病が改善することによって症状がなくなったり、軽くなったりします。

また、予防として足に合う靴を履きましょう。また、常に足を清潔に保つことが重要になります。

 

足のトラブルでお悩みの方はお気軽にご相談ください。