医療法人樹会 糖尿病・腎・高血圧 ふくはら内科クリニック

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熱中症と糖尿病

2021/07/27

梅雨が明けて、暑い日が続きますが毎年夏になると熱中症が話題になりますね。

最近では新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、マスクをする日常となりましたがマスクを着用する事で皮膚からの熱が逃げにくくなり、気がつかないうちに体温を調節しにくくなってしまい、熱中症のリスクが上昇します。

日本の実態調査によると、高血圧、糖尿病、心血管疾患、認知症があると熱中症になりやすいと言われています。今回は糖尿病と熱中症について簡単にお話させていただきます。

 

■どうして糖尿病の方は熱中症になりやすいのか?

糖尿病は自律神経障害により汗がかきづらくなり、効果的に身体を冷やすことができにくくなり熱中症のリスクが高まります。

また血糖が高いと、尿に糖と一緒に水分も出やすくなるのでより脱水を起こしやすくなります。水分が失われやすい夏には特に脱水症状が進んでしまい、熱中症に陥りやすくなってしまいます。

 

■スポーツドリンクに注意

熱中症予防のため、水分補給にスポーツドリンクを飲むかと思いますが、糖分の多く入っているスポーツドリンクを飲むことでさらに血糖が悪くなる可能性もあります。糖分を多く含む清涼飲料水やジュースを大量に飲むことによって高血糖状態になることをペットボトル症候群(清涼飲料水ケトアシドーシス)といいます。ペットボトル症候群を発症すると倦怠感・嘔吐・腹痛、さらに重篤な場合は意識障害を引き起こします。

水分を摂取するには水あるいはお茶、またはなるべく糖分が少なくかつ塩分が摂取できるようなものを飲みましょう。

 

■薬を飲んでいる人は注意しましょう。

利尿剤やSGLT2阻害薬などの尿量が増える薬を飲んでいる方は熱中症になりやすい傾向がありますので暑い中で運動をすることがありましたら事前に主治医に相談しましょう。

 

■腎不全の方は水分の飲みすぎに注意しましょう。

腎不全のある方が熱中症予防のため水分をたくさん摂取してしまうと腎臓で尿を処理する力が追いつかずに身体に水分がたまってしまい、むくみや心不全が起きてしまう可能性があります。あらかじめどのくらいの水分摂取量が適しているか主治医と相談しましょう。当院は、体重が1番体の水分量を評価するのに適していると患者様にお話しし、毎日体重を計るように指示しております。

 

■インスリンは冷蔵保存しましょう。

インスリン製剤は熱によって中に入っているインスリンが変性し、効きめが悪くなることがありますので、冷蔵庫や外出する時はクールバッグで保存しましょう。

 

熱中症が疑われるときは早めに主治医の先生に相談しましょう。普段から自分の体や環境、行動に注意して熱中症にならないように気を付けましょう。