医療法人樹会 糖尿病・腎・高血圧 ふくはら内科クリニック

糖尿病の分類

糖尿病は4つのタイプに
分類されます

1型糖尿病
1型糖尿病は主に自己免疫によっておこる病気です。
体の免疫異常で自分自身のインスリンを分泌するすい臓のβ細胞を破壊してしまうことで発病します。

ウイルス感染等をきっかけにインスリンを産生する膵β細胞が破壊されて糖尿病を発症します。

約90%が自己免疫性(1A型)で、残りの10%は原因不明の特発性(1B型)とに分類されます。自分でインスリンを分泌することができなくなるためインスリン治療が必要となります。

1型糖尿病は生活習慣病ではありません。また、遺伝して同じ家系内に発病することも稀です。小児期から思春期に突然発症することが多いですが成人でも発症します。

厚生労働省の研究班による発表では、日本の1型糖尿病の患者数は10〜14万人と推定されております。

「1型糖尿病」ページへ

2型糖尿病
2型糖尿病は日本人の糖尿病の90%以上を占めます。
『インスリン分泌不全』と『インスリン抵抗性』の複合で発症する糖尿病とされています。

2型糖尿病になる要因には、遺伝的要因と環境的要因があります。

■ 遺伝的要因

両親や親戚に糖尿病の方がいると糖尿病を発症する可能性が高いです。すい臓がインスリンを作り、血糖を下げる作用をしますがその量が十分ではない『インスリン分泌不全』による要因が挙げられます。アジア人はインスリン分泌能が低いと言われています。

■ 環境的要因

運動不足や食べ過ぎなどの生活習慣のことを言います。
肥満により、体の中で作られたインスリンが十分に作用しない『インスリン抵抗性』、つまりインスリンが効きにくい状態になります。

治療は食事・運動療法を基本としますが、それでも改善できない場合は経口血糖降下薬による薬物治療、インスリン治療を行うことがあります。

「2型糖尿病」ページへ

その他の糖尿病
■ 遺伝

ミトコンドリア糖尿病やMODY(若年発症成人型糖尿病)など、遺伝子異常により発症する糖尿病です。

■ 薬剤

薬剤により血糖が上昇する場合があります。最も有名なのはステロイドです。内服薬だけでなく関節注射や眼内注射などの一部にもステロイドが入っている場合があり注意が必要です。

■ 慢性膵炎や膵腫瘍

インスリンはすい臓から分泌されているためすい臓に障害をきたした場合、糖尿病を発症する可能性があります。

■ 感染症

肺炎や尿路感染症等の感染症を発症すると血糖は上昇します。

■ ホルモン異常

内分泌疾患(クッシング症候群、先端巨大症等)を発症すると血糖は上昇します。

妊娠糖尿病

妊娠中に初めて血糖値が高い状態が発見されるケースを『妊娠糖尿病』と言います。
妊娠糖尿病は母体では早産、妊娠高血圧症症候群、羊水過多症のリスクが増加し、胎児には巨大児、新生児低血糖が起きやすくなります。

妊娠糖尿病を経験した人の70%は、再び糖尿病を発症するため定期的な検査が必要です。