医療法人樹会 糖尿病・腎・高血圧 ふくはら内科クリニック

糖尿病性腎症

糖尿病性腎症

高血糖状態が長期間継続すると、腎臓の小さな組織である糸球体(微小血管の集合体で、血液の老廃物をろ過して尿を作ります)がダメージを受け、『糖尿病性腎症』を発症します。
糖尿病性腎症は進行すると腎臓の機能が低下し、徐々に尿量が少なくなったり、体の老廃物を尿から排泄出来なくなり、透析が必要になります。

日本の慢性透析患者さんは約34万人おり、糖尿病性腎症が39.1%を占めており、透析患者の原疾患で最も多いと言われております。

糖尿病性腎症による病気分類

腎症の病期は腎臓の機能に障害がない第1期から、透析が必要になる第5期までに分かれています。
病気の診断には尿蛋白(アルブミン)の量と、腎臓の機能を表す検査値(糸球体ろ過量:GFR)がどれくらい低下しているかの2つの指標を組み合わせて評価します。

第1期
(腎症前期)
腎臓に関して特に異常所見はない時期です。
第2期
(早期腎症期)
尿中に微量アルブミンという蛋白尿が検出されます。
第3期
(顕性腎症期)
尿蛋白が検出されます。(第2期より多い)
第4期
(腎不全期)
血液検査で腎機能低下(血清Crの上昇、GFRの低下)が認められます。
第5期
(透析療法期)
腎不全により透析療法が必要になります。

糖尿病性腎症第1期、第2期ではほとんど自覚症状がありません。
第3期以降になるとむくみや息切れ、食欲不振、倦怠感等の症状が現れてきます。
糖尿病性腎症第3期以降になると透析療法が必要となる可能性が高くなりますので第2期の段階までに早期診断をして治療介入する必要があります。

糖尿病による腎症を発見するためには尿蛋白(微量アルブミン尿)を評価することが大切です。

糖尿病性腎症の治療

糖尿病性腎症と診断された場合には進行を防ぐための治療が必要です。
そのためにはまず糖尿病の治療を継続して血糖コントロールをよくすること、高血圧や脂質異常症の治療をすること、肥満の改善や禁煙が重要になってきます。
また、腎不全が進行してくると食事でたんぱく質を制限することが必要になってきます。
当院では管理栄養士による栄養指導により食事指導を行って参ります。