医療法人樹会 糖尿病・腎・高血圧 ふくはら内科クリニック

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群
(Sleep Apnea Syndeome:SAS)とは?

睡眠中に呼吸が止まったり、弱くなったりするのを繰り返す疾患です。Sleep Apnea Syndromeの頭文字をとって、SAS(サス)と呼ばれます。10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、もしくは1時間あたり5回以上あれば睡眠時無呼吸と診断されます。

睡眠時無呼吸症候群のタイプ

気道の閉塞によって無呼吸が起こる

閉塞性睡眠時無呼吸症候群

OSAS

脳幹の呼吸中枢からの指令が出なくなる

中枢性睡眠時無呼吸症候群

CSAS

睡眠時無呼吸症候群を放置する危険性

睡眠時無呼吸症候群は高血圧・糖尿病・脳卒中・心筋梗塞などを引き起こします。
睡眠中に呼吸が止まると、心臓・脳・血管に負担がかかり動脈硬化の進行が早まると言われています。その結果、高血圧症、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの発症リスクが高まります。また、日中突然激しい眠気に襲われるため睡眠時無呼吸症候群が原因となった居眠り運転による交通事故が起きています。

糖尿病と睡眠時無呼吸症候群の関係

睡眠時無呼吸症候群を患っていると糖尿病になるリスクが1.62倍になるということがわかっています。睡眠の質が低下すると交感神経が活性化したり、ストレスホルモンが過剰に分泌することによって糖尿病が悪化します。

睡眠時無呼吸症候群の症状

睡眠時の症状

  • いびきをかく
  • 呼吸が止まっていると言われる
  • 息苦しくて目が覚める
  • 夜間何度もトイレに起きる
  • 寝汗をかく

起きている時の症状

  • 起床時に頭痛がする
  • 日中も強い眠気がある
  • 血圧が高い
  • 集中力が続かない

睡眠時無呼吸症候群の検査

エプワース眠気尺度

チェックリストを使って眠気を評価します。各質問の点数を合計して11点以上で異常な眠気と判断し、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

左にスライドさせてご覧ください。

どんな時に眠くなるか いつも 時々 少しある ない
座ってなにかを読んでいる時 (本、新聞、雑誌、書類など) 3 2 1 0
テレビを観ている時 3 2 1 0
会議や映画館、劇場などで静かに座っている時 3 2 1 0
他の人の運転する車に休憩なしで1時間以上乗車している時 3 2 1 0
午後に横になって休憩をしている時 3 2 1 0
座って人と話をしている時 3 2 1 0
昼食後(飲酒なし)、静かに座っている時 3 2 1 0
車を運転中に渋滞や信号で止まっている時 3 2 1 0

簡易検査(在宅PG検査)

診察で睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、患者様がご自宅で検査する簡易検査です。検査機器は当院から検査会社を通してお貸しします。就寝時に手と顔にセンサーを装着して睡眠中の呼吸や酸素濃度を記録します。後日検査装置のデータを分析して診断します。
検査結果は、1時間あたりの無呼吸と低呼吸の平均回数であるAHI(Apnea Hypopnea Index:無呼吸低呼吸指数)によって重症度を評価します。

AHI
(Apnea Hypopnea Index:無呼吸低呼吸指数)
正常 0〜5
軽症 6〜20
中等度 21〜30
重症 31〜50
最重症 51以上

精密検査(在宅PSG検査)

呼吸運動や酸素濃度だけでなく脳波や眼球運動などを測定して分析します。
本来入院して行う詳細な検査となりますが当院ではご自宅で検査を行うことが可能です。検査費用は3割負担で約1万円程度と入院と比べて費用が安く(入院の場合約3〜5万円)、患者様の都合の良い日にちで検査を行うことが可能です。

睡眠時無呼吸症候群の治療

CPAP療法
(Continuous Positive Airway Pressure)

CPAPは睡眠中に装着するマスクから空気が送り出されて、気道の狭窄や閉塞を防ぎ、気道を確保する治療法です。CPAP療法は根本的な原因を解消するわけではないため治療を継続する必要があります。

CPAP療法以外の治療

外科的手術

睡眠時無呼吸症候群の原因が扁桃肥大の場合、摘出術が有効な場合があります。また、口蓋垂を切除する手術法もあり、専門である耳鼻咽喉科への受診が必要な場合があります。

マウスピース

睡眠時にマウスピースを装着し、下あごを前方に固定して空気の通り道を開くようにする治療法です。
当院では検査・治療はできないため他の医療機関へ紹介となります。

生活習慣の改善

CPAP治療やマウスピースなどの治療と合わせて、睡眠時無呼吸症候群の要因や合併症のリスクを軽減するために、生活習慣の改善も必要です。特に肥満の患者さんは、減量による軽症化が期待でき、10%の体重の減少でAHIが26%減少したという報告もあります。また、アルコールは筋肉を緩める作用があるためいびきや無呼吸を起こしやすくします。寝つきが良くなることもありますが、夜中に目が覚めたり、浅い睡眠を増やす作用もあるため、減酒を心がけましょう。