検尿異常(尿蛋白、尿潜血)
健康診断では検尿が行われますが、その目的の1つが腎臓病の早期発見です。
腎臓病の多くは自覚症状がないため、検尿を行うことはとても重要です。
尿検査
検尿異常とは尿検査を行い『尿蛋白』、『尿潜血』などで異常がみられた場合のことを言います。
尿蛋白
尿は腎臓で血液をろ過することによってつくられます。
血液中の蛋白が尿に出てくることは通常ありませんが、腎臓に何らかの異常があると尿蛋白が出現します。◎ 尿蛋白陽性で疑われる主な病気
- 慢性腎臓病(CKD)
- 慢性糸球体腎炎
- ネフローゼ症候群
- 糖尿病性腎症
- 高血圧性腎症(腎硬化症)
- 膠原病
- 起立性蛋白尿
尿潜血
腎臓や尿路(尿管や膀胱)などの尿の通り道に損傷・出血・炎症があると尿潜血が出現します。
血尿は大きく分けて2種類あります。■ 肉眼的血尿
目で見てはっきりわかる血尿を肉眼的血尿といいます。
■ 顕微鏡的血尿
目に見えない血尿を顕微鏡的血尿といいます。
◎ 血尿で疑われる主な病気
- 慢性糸球体腎炎
- 尿路感染症
- 尿管結石
- 悪性腫瘍
健康診断で尿蛋白・尿潜血が
陽性の場合、次にどんな検査をするの?
健康診断で尿蛋白・尿潜血が陽性の場合は以下の検査を行います。
これらの検査で腎疾患の可能性がある場合は『腎生検』を検討します。
尿検査
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■ 早朝尿
立っている時、腰を曲げたりする時に尿蛋白が出現することがあります。これは生理的な(異常のない)蛋白尿です。起立性蛋白尿が疑われる場合は、自宅で早朝尿を取っていただき評価します。
■ 尿蛋白定量
どのくらい尿蛋白が出ているかを具体的に数値化して評価します。
■ 尿沈渣
尿を遠心分離機にかけ、沈殿した赤血球や白血球、細菌の有無などを調べる検査です。
■ 尿細胞診
尿中に癌細胞が含まれているかを調べる検査です。
採血
血液検査で腎疾患の原因検索を行います。
画像検査
超音波検査で腎臓の大きさや形態、結石や腫瘍がないかを評価します。
腎生検
腎疾患が疑われる場合は腎生検を行い、確定診断をします。
腎臓の一部の組織を取り、顕微鏡で評価します。
腎生検はを行う目的は以下の3つです。
- 病気の確定診断、
および重症度がわかる - 適切な治療方針を
決定する - 病気について
今後の見通しがわかる
腎生検が必要な時は
主に以下の場合です
- ❶ 血尿が持続し慢性腎炎が疑われる時
- ❷ 1日0.3〜0.5g以上の蛋白尿がある時
- ❸ 大量の蛋白尿がある時(ネフローゼ症候群)
- ❹ 急激な腎機能低下がみられ、蛋白尿や血尿がある時
- ❺ 原因不明の腎不全
検尿異常を指摘されたら
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